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論理でわかるコーヒーのあれこれ。自遊木民族珈琲のコーヒーワークショップ。

論理でわかるコーヒーのあれこれ。
自遊木民族珈琲のコーヒーワークショップ。

Target

Ryo Itabashi

Text・Photo

Miyuki Kato

コーヒー器具を自力で集めなくても、飲み比べができる幸せ。

2023.5/20土、東北町の小川原湖ふれあい村にあるレストハウス「めぐりカフェ オカルルベース」オープンの日に、Coffee work shop〜器具による飲み比べとハンドドリップの淹れ方〜が開催され、参加してきました。

高い天井で開放感のあるログハウスの大きな窓からは、子どもたちが駆け回る姿を見守ることができる。

講師は「自遊木民族珈琲」の店主、板橋諒さん。
諒さんは5年ほどスターバックス コーヒー ジャパンで経験を積まれ、2017年より出身地である野辺地町に実店舗をオープン。さらにお店をやりながら、三沢の商店街をどう復活させるかという、地域活動もされています。

できるだけ大切にしたい、ひと手間のある「味」と「記憶」。

お盆や正月に親戚同士集まると、思い出すのは昔食卓に並んでいた、ばあちゃん手作りの料理。かたや流れ作業の機械で作った加工品の料理というのは、意外とメモリーされないもの。
コーヒーも同様で、できれば手作りの味が乗っかって、誰かの舌に記憶してもらいたい。
今日教えるレシピは1杯淹れるのに3分くらいで出来上がるので、忙しい朝は面倒かもしれないけれど、ぐっとコーヒーを飲んで、よしっ!と気持ちよく仕事に行ける。そんなことをお伝えしたいとはじまりました。

コーヒーを淹れるということは、気持ちがあがるひと時がつくれるということかも。

器具あれこれで違う味わいを体感する飲み比べ。

目の前に並んでいる器具は、お馴染みのドリッパー&サーバーのほかに、クレバー、エアロプレス、フレンチプレス。器具の違いでどれだけ味が違うのか、いよいよお楽しみの飲み比べです。
透過法と浸漬法という抽出法のお話を聞いてすぐに味わえるから、頭と舌で理解できてわかりやすい。そして器具で味が変わると事前に聞いていたものの、本当に全く違っていて驚きました。
特性を知っていれば、キリッと酸味が欲しい時はこれ。コクを味わいたい時はこれ。
急な来客には、アウトドアには、と気分やシチュエーションで使い分ける楽しみも広がりそうです。

左からクレバー、エアロプレス、フレンチプレス。
参加者からは、コーヒーを淹れている気がしないね。不思議。という声。
その名の通り、賢い器具に一同驚き。アウトドアに持っていきやすい気軽さもいい。

試飲の豆は、まろやかな甘味とコクが美味しい、
オカルルベースブレンド。

諒さんがブレンドした豆は3つの国からセレクトしていて、1つめはアフリカのブルンジ。もともとコーヒーの産地で、最近ようやく生活のライフラインが安定してきた国で、新しく何か始めるというところにマッチするのではと選んだ豆。味の特徴はミルキーな感じとお茶っぽい味。
2つめはパプアニューギニアの豆で、アジアではこの農園だけ女性グループが作っていて、オカルルベース代表の和田さん然り女性の力が働いているから選んだそう。ナッツ系の、ザ・コーヒーの味。
最後の3つめグァテマラは、産地を巡るならここに行きたいという、美しい湖アティトランにある農園。オカルルベースが小川原湖のそばなので、そことリンクしたイメージという、コンセプトに寄り添った素敵なイメージのブレンドでした。いずれも中深煎り。

まろやかな酸味と甘味にほんのりコクのある、バランスの良いブレンド。

同じ条件で、ひとりひとり淹れたコーヒーを飲み比べ。

ハンドドリップは淹れる人によって味が違うと言いますが、自遊木民族珈琲のレシピに沿って、同じ器具、同じ量、同じ温度、同じ時間、同じ淹れ方で、一人ひとりコーヒーを抽出して飲み比べをしました。
これもまた驚きで、同じ条件で淹れたつもりでも、量、時間、お湯の淹れ方に生じた誤差により、味に違いが現れてくる。味覚とはそれほど繊細なものなのだと実感しました。

2人1組になって、実際に淹れてみる。
比べてみると、酸味がシャープに出たり、まろやかだったり、幅が広がったり、味の変化が実感できる

カップ1杯のコーヒーがもつ繋がりを感じるのも大切なこと。

締めくくりに、コーヒーを海外や日本の生産者に感謝して飲んで欲しい。
そして、焙煎する人や淹れてくれる人によって味が違うので、色々なお店でコーヒーを楽しんで欲しいと、諒さんは言います。その先の人のことも意識するのは、大切なことですね。
そして、扱うコーヒー自体の特徴を知っておいた方が味は決めやすい。お店で豆を買うとき、産地、加工法、焙煎度が必ず表示されていますが、コーヒー豆のWSに参加すると見極められるようになると言います。
ちなみに、諒さんはコーヒー豆の飲み比べワークショップもやっていて参加したことがあるのですが、そこで学んだことから生まれたのがピラニカブレンドです。
今後は焙煎のワークショップも思案中だとか。
初心者はもちろん、普段コーヒーを淹れている方にも必ず発見がある、コーヒーワークショップ。
今後は2023.6/15(木)12:00〜14:00青森市地球屋にて開催予定です。
興味のある方は今後のスケジュールなど、自遊木民族珈琲のインスタグラムをチェックしてみてくださいね。
@jiyuubokuminzoku_coffee