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やってきたことをあるがままに。独特のスタイルを持つ 珈琲 虎ノ穴。

やってきたことをあるがままに。
独特のスタイルを持つ 珈琲 虎ノ穴。

Target

Itaru Muraguchi

Text・Photo

Miyuki Kato

店主のセンスを強く映した、数寄屋的コーヒースタンド。

青森市桜川の住宅地にあるコーヒースタンド「珈琲 虎ノ穴」。
入り口のサウナ扉を開けて身を縮めながら入ると、壁には楽器やフライヤー等がぎっしり配置され、奥にはターンテーブルとレコードという、コンパクトな空間に店主の趣味やセンスが広がりをみせる、独特のスタイルを持っているコーヒースタンドです。

店を訪れる客層は幅広く、店主の友人やバンド仲間はもちろん、看板猫(通称アニャ)に会いに来る女性のお客さんも。

美味しい珈琲を飲むため、普段からしていたこと。

店主の到さんは、珈琲店をはじめる以前から、外食後の珈琲を自宅に急いで帰って淹れるほどの珈琲好き。
普段から美味しい珈琲を飲むために豆の鮮度を大事にし、新しい焙煎豆の消費量と購入のタイミングにも気を配っていたとのこと。だったら自分で珈琲屋をやればいいのではと、身近な人からの助言もあってお店をはじめたのだそうです。

ふんわり膨らむ豆と立ち昇る香りが、珈琲欲をそそる。

その大事にしている豆の賞味期限は、ハンドドリップだと2週間。それ以降はエイジングとのこと。
エスプレッソの場合はラテアートがいい例で、エイジングした豆じゃないときれいなクレマが立たないので、ハンドドリップとは正反対の考え方だと言います。

奥深い焙煎の世界で、自分好みの珈琲豆を見つける一つの指針。

たまに他県の色々なところからも豆を買っていて思うのは、一貫してきれいな珈琲だなということ。虎ノ穴の豆に奥行きや愛着を感じるのはなぜだろうと思っていたら、焙煎方式の違いであることがわかりました。虎ノ穴は直火型で、世の中の大半が半熱風型だということです。
サードウェーブ以降どんどん洗練されたコーヒーが追求され、余計なものをまとっていないコーヒー製法へと進んだ結果、半熱風型が高いシェアを占めているといいます。
豆の種類や浅煎り・中煎り・深煎りの他にも、直火式、熱風式、半熱風式、炭火焙煎など、どの焙煎方法で焼いている豆なのかを知ることで、自分好みの当たりを引きやすくなるかもしれません。
ちなみに虎ノ穴の豆は中煎りで、その中でもミディアムやハイロースト、ミディより〜ハイより〜など、豆の種類によって調整も様々に工夫がなされているとのことです。

ブラジル、コロンビア、グァテマラをブレンドした、バランスの良い「トラノアナブレンド」。

そして、豆をまとめて挽くことについては特別な事情がない限りお勧めしないとのこと。飲む時に飲む分だけを挽くのが鉄則。
以前、私がネットで購入したコーヒーミルが届くまで時間が空いてしまった時に、豆を挽いてもらえますかと言ったらすごく悲しい顔をされて。
事情を説明すると、届くまで使っていいよと収納していた自前のミルを貸してくれて、思いがけない提案が嬉しかったのと、焼きたての豆を挽くことについて反省をしたのを覚えています。到さんの人間味と珈琲愛を感じた出来事でした。

レコード、CD、楽器何かしらの音楽が漂う空間。

到さんはロックバンド「チェインズ」時代を経て、スカバンド「CHAKASKAS」やレゲエバンド「CHAX」といったバンド活動もやっていて、お店の空間には音楽が身近にあります。
バンド仲間や楽器好きが集まると、練習したりセッションがはじまったりするので、初めて見た時は、ブエナビスタソシアルクラブに出てくる風景みたいだなとワクワクしたものです。

いい音楽をレコードで聴く、心地よいひととき。

ライブイベントの企画出張ライブや出店依頼も。

虎ノ穴をきっかけに知ったミュージシャンや楽曲は数知れず。
お店で聴く音楽はもちろん、ライブなどの音楽イベントを積極的にされていたコロナ前は、今ここだけの生の人と音楽との出会いがあり、充実していたんだなぁと余韻が蘇ります。
私が商店街イベントのスタッフをしていた時には、バンド出演や珈琲出店をオファーし、受けていただいたこともありました。
今年は少しずつイベントが開催されるようになってきたので、いよいよ動きが出てくるのではないでしょうか。自主企画や出店情報、日々の事など、虎ノ穴の動向は、インスタグラムをフォロー&チェックです。
虎ノ穴 Instagram
https://www.instagram.com/toranoanacoffee/

平内町の商店街イベント「ひらないMiRAi商店街」での出店。
一緒のブースでお店同士のコラボも。
平内町のほうれん草農家「湊農園」とパン屋「ichico」が、珈琲に合うコラボ商品をとほうれん草スコーンを開発。以来ichicoの定番商品に。

豆を買いたい時は、事前に注文。焼きたてを買えるのが嬉しい。

先述にあるよう虎ノ穴は鮮度を大切にするため、豆のストックも少しづつ。小分けに少量なら買えることもありますが、買う前に注文の連絡をしてから取りに行くシステムです。
購入時が焼きたてなのが嬉しいですし、焙煎日が自ずと自分で何日経過しているのかを把握できるから、美味しい期間がわかりやすいのもいいところ。
大体次の日から家で淹れ始めるのですが、お湯を注ぐと豆がぷくぷくっと膨らんで、鮮度の良い豆だと実感します。その膨らみを育てるのが楽しいのは、珈琲好きのマストな部分ではないでしょうか。
おうち豆は、冷蔵保存で2週間を目安にしてストックすると◎です。

虎ノ穴の豆をお求めの際は、お近くの方はSNSなどでご連絡後お出かけになるか、
遠方の方は、到さんのSNSアカウントなどへ直接メッセージでコンタクトを。
さらに、Piranika Online Shopにて7月上旬頃よりお取り扱いも開始します。
Piranika Online Shopでのラインナップは3種類。定番の「トラノアナブレンド」、「アフリカブレンド」に加え、「ピラニカブレンド」です。
ピラニカブレンドは、仕事やものづくり中にじっくり飲み進めるような、適温〜温くなるまで長距離ランナー的なシチュエーションと、まろやかな甘みのウガンダ・アフリカンスノーをベースにという2つのベクトルをもとにつくっていただきました。
ウガンダ・パナマ・グァテマラをブレンドし、上品な香りがほんのり立ち上がり、まろやかな甘みとコクが続くブレンドがうまれました。
3つのブレンドを100gずつセットにした、飲みくらべ仕様もご用意。ぜひお試しください。


珈琲 虎ノ穴
青森市桜川4丁目29-7
月〜金 8AM→7PM
土日祝 10AM→7PM
※臨時休業あり

Piranika Online Shop
https://shop.piranika.net/
Piranika Online Shop Instagram
https://www.instagram.com/piranika_onlineshop/